学会・最新知見

日本臨床整形学会でシンポジウムとハンズオンを実施しました

2026年 07月 20日

先週のペインクリニック学会に続いて、今週は神戸で開催された臨床整形学会(くにうみ学会)に参加してきました。今回は、私の大好きなメンバー(わちゃわちゃ系エコーフリーク)で一緒にシンポジウムとハンズオンセミナーを実施する機会をいただきました。

■ 「わちゃわちゃ系エコー」とは?

当院のブログでも何度かお紹介している「わちゃわちゃ系エコー」。医師や理学療法士、鍼灸師など、様々な医療従事者が集まって、超音波(エコー)の技術を楽しく学び合う勉強会グループです。

私たちは、自分たちのことを「エコーオタク」と自負しています(笑)。楽しくワイワイしながら、最新のエコー技術を磨く——それが私たちのスタイルです。全国各地で、実践的なハンズオン(体験型)セミナーを開いています。

今回はそのわちゃわちゃ系が初の学会デビューです。もちろん、個々での学会の発表や講演などは皆よくやられているのですが、このような機会は大変貴重です。

■ 今回のシンポジウムテーマ

今回の臨床整形学会で実施したシンポジウムのテーマは、「外来エコー診療の応用 ~運動器エコーで見えてくる新たな整形外科診療~」でした。

座長を務めていただいたのは、和田誠先生と斉藤究先生。演者としては、わたしと谷掛洋平先生、石田岳先生、岩﨑博先生、そして前田学先生が、それぞれの専門分野からの実践的なお話をされました。

外来診療の現場で、エコーをどのように活用すると患者さんに最大の利益をもたらせるのか。医師だけでなく、理学療法士や鍼灸師の視点からも、「エコーで何が見えるのか」「そこからどう治療につなげるのか」という点について、活発な議論がありました。

私は肩のエコーを中心に当院のアルゴリズムに沿ってお話ししました。

■ ハンズオンセミナー「運動器エコー全部やります!!」

シンポジウムの後は、ハンズオンセミナーを開催しました。テーマは「運動器エコー ハンズオンセミナー ~運動器エコー 全部やります!!~」。

講師陣は、シンポジウムの演者でもある私と岩﨑博先生、石田岳先生、前田学先生、谷掛洋平先生、それに和田誠先生(司会)と、メンバーすべてが講師を務めました。

「全部やります」というタイトル通り、運動器エコーのあらゆる部位、あらゆる技法を、参加者の皆さんが実際に手を動かしながら学べる形式です。参加者が、実際に超音波機器を手に取って、患部をスキャンしながら学ぶ——それが、わちゃわちゃ系の真骨頂です。

私はシンポジウム同様肩を担当しました。

「筋肉や腱がこんなにはっきり見えるのか」

「エコーを使うと、X線写真には映らない部分がこんなに詳しく見えるんですね」

「今まで目で確認できなかった構造が、画面に映る瞬間の感動!」

こうした声を聞くたびに、あらためて感じることがあります。エコーは、単なる診断道具ではなく、患者さんの痛みの「正体」を医療者と患者さんが一緒に確認できるツールなんだということです。参加者の目の輝きを見ていると、「エコーの可能性はまだまだ広がっていくんだな」と実感します。

■ わちゃわちゃ系メンバーとの絆

何より、このイベントを通じて感じるのは、一緒に活動しているメンバーとの絆です。

医師、理学療法士、鍼灸師と、専門分野は異なりますが、「患者さんのためにより良い診療をしたい」という想いは完全に一致しています。学会という公式な場でも、その「わちゃわちゃ」した雰囲気——つまり、肩肘張らず、楽しく知識と技術を高め合う姿勢——が貫かれていました。

本気で患者さんに向き合いながら、それでいて楽しく学び合える仲間がいること。これ以上にないほど幸せな環境だと思います。

■ 当院での実践

シンポジウムやハンズオンで得たこうした知見や技術は、当院の日々の診療に直結しています。

患者さんが来院されたとき、エコーで痛みの原因部位を正確に把握し、「あなたの痛みはここから来ています」と視覚的にご説明する。そして、その画像情報をもとに、医師と理学療法士が一緒になって、その患者さんに最適な治療方法を組み立てていく。

こうした一連の流れが、当院の診療スタイルです。

■ 次は8月の整形超音波学会へ

8月には、整形外科超音波学会のシンポジウムも予定されています。また、わちゃわちゃ系メンバーとの活動が続きます。

患者さんの「痛みを取りたい」「もう一度動きたい」という想いに応えるために。また、医療者としての自分たちも、常に成長し続けたいという想いで。これからも全力で取り組んでいきます。

学会で学んだことを、当院で患者さんへ還元していく。その循環こそが、本当の意味で「患者さんのための医療」だと信じています。

この記事の執筆・監修

著者のプロフィール画像

寺田 哲Satoshi Terada

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医師/麻酔科専門医・ペインクリニック専門医

「痛み痺れを諦めない」をモットーに、日々診療にあたっています。最新のエコーガイド下治療やVR治療など、医学の力で患者さんの日常を取り戻すためのヒントと、日々の学びを綴ります。

略歴・資格

  • 2008年 埼玉医療センター麻酔科
  • 2014年 NTT東日本関東病院 ペインクリニック科
  • 2016年 静清リハビリテーション病院
  • 2019年 三島総合病院 ペインクリニック科 医長
  • ペインクリニック専門医 / 厚生労働省 麻酔科標榜医 / 健康スポーツ医

専門・研究

超音波ガイド下治療やVR治療の最前線で活動し、多くの学会(日本整形超音波学会、日本ペインクリニック学会、日本VR医学会等)でシンポジストや基調講演を務める。

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