2026年 06月 22日
当院では、運動療法を行う際に理学療法士が一人ひとりに合わせた体操を指導しています。「リハビリで教わった体操、家でもやった方がいいの?」と聞かれることがよくありますが、答えは「はい」です。今回から数回にわけて、当院で実際に指導している体操の中から、自宅で取り入れやすいものをご紹介していきます。第1回は「腰・背中」のための体操を5つ取り上げます。
■ なぜ自宅での体操が大切なのか
通院中のリハビリだけでなく、自宅での継続的な運動が回復のスピードを左右することがあります。週に1〜2回のリハビリだけでは、筋肉や関節の状態を維持するには十分でないことも多く、自宅での「ちょっとした積み重ね」が、痛みの改善や再発予防につながります。今回ご紹介するのは、特別な道具を使わずにできる体操です。痛みが強い時期は無理をせず、できる範囲から始めてください。
「肩こりや腰の張りが続いている」「整形外科で湿布をもらったけれど、湿布以外に何をすればいいか分からない」——診察の中で、こうした声をよく耳にします。今回ご紹介する体操は、そうした「自宅で何をすればいいか分からない」という方の入り口になるよう選びました。
■ ① 首後面ストレッチ 首のこわばりに
目的:首の後ろの柔軟性向上(僧帽筋・板状筋・半棘筋)
方法:背筋を伸ばしてベンチに座り、後頭部に手を当てます。背筋を伸ばしたまま頭を前に曲げ、手で曲げる方向をサポートします。
注意点:背中を丸めない、過度に曲げないようにしましょう。デスクワークで首の後ろが張りやすい方におすすめです。
■ ② 腰のストレッチ(正座) 腰背部をゆるめる
目的:腰背部の柔軟性向上
方法:正座をして、土下座をするように背中から腰を丸めます。ゆっくり呼吸しながら、腰が膨らむようにイメージしましょう。
注意点:膝や股関節が痛い場合は、クッションを使うか座った姿勢で行ってください。朝起きたときの腰のこわばりにも向いています。
■ ③ 骨盤体操(座る) 腰痛予防・姿勢改善
目的:腰痛予防、姿勢改善(多裂筋)
方法:椅子に座り腰幅に脚を開きます。おへそを前に突き出して腰と胸を反らし、次に腰を後ろに突き出すように背骨を丸めます。
注意点:脚が浮かないように、頭の位置が前後しないように気をつけましょう。デスクワークの合間に行うのもおすすめです。
■ ④ プランク 体幹の筋力強化
目的:体幹の筋力強化(腹筋群)
方法:うつ伏せになり、両肘とつま先を地面につけます。腰と膝を持ち上げてキープします。
注意点:お尻から頭が一直線になるように、肩がすくまないように、肩の真下に肘がつくように意識してください。腰を支える筋力が落ちている方に特に取り入れていただきたい体操です。
■ ⑤ 背骨の体操(寝る) 猫背改善
目的:背骨の柔軟性向上、猫背改善(背筋群)
方法:背中にタオルを敷いて仰向けに寝て膝を立てます。手を頭の後ろで組み、脇を開いた状態で肩甲骨が少し浮くまで脇を閉じながら起き上がり、ゆっくり戻します。
注意点:痛みのないタオルの厚さで行い、息を止めないようにしましょう。
■ どのくらいの回数・頻度で行うといい?
ストレッチは20秒から30秒程度のキープを1セットから2セット、プランクのような筋力トレーニングは10秒から15秒のキープを数回繰り返すところから始めるとよいとされています。毎日きっちり行うことよりも、痛みが出ない範囲で、できるときに続けるという方が長続きしやすい印象です。痺れや強い痛みが出る場合は、無理に続けず中止してください。
■ 体操だけでカバーできない部分もある
今回ご紹介した体操は、あくまで目的別の一般的な体操です。実際には、痛みの原因や姿勢のクセによって、向いている体操、避けたほうがいい体操が一人ひとり異なります。当院では、診察や検査の結果をもとに理学療法士が体操の内容を調整していますので、自分にはどれが合っているか知りたいという方は、ぜひリハビリの際にご相談ください。
体操の正しいフォームは、文章や写真だけではなかなか伝わりにくい部分もあります。実際に当院へ通っていただいている方には、リハビリの中で一つひとつ動きを確認しながらお伝えしていますので、「これで合っているかな」と感じたときは、いつでも理学療法士に聞いてみてください。次回は、お尻・脚のストレッチをご紹介します。

