日常・コラム

診療報酬について

2025年 12月 21日

―診療報酬本体3.09%引き上げ、という数字の裏側―

最近のニュースで、
「診療報酬本体が3.09%引き上げられる」
という話題が出ました。インフレ対応としては約30年ぶりの水準だそうです。

数字だけを見ると、
「お、少し上がるのか」
と思われる方もいるかもしれません。

正直に言うと、最初に浮かんだ感想は
「やっと、ここまで来たか」
というものでした。

ここ数年、物価は目に見えて上がっています。
電気代、材料費、人件費。
日常生活で感じている変化は、医療の現場でも同じです。

一方で、診療報酬は基本的に「公定価格」。
自由に値段を決められるわけではありません。
どれだけコストが上がっても、
基本はその枠の中でやりくりするしかない仕組みです。

そう考えると、今回の引き上げは
「医療も、インフレの世界にいる」
とようやく公式に認められた、
そんな印象も受けます。

ただ、3.09%という数字を
そのまま“実感できるか”というと、
それはまた別の話です。

医療機関ごとに事情は大きく違いますし、
人件費や設備投資に消えていけば、
「余裕が生まれる」という感覚は
正直あまりないかもしれません。

それでも、この改定が意味を持つとすれば、
「医療を支える人たちの現実に、少し目が向いた」
という点ではないでしょうか。

医療は、
献身や我慢だけで回り続けられるものではありません。
続けていくためには、
きちんと続けられる仕組みが必要です。

今回の改定で、
何かが劇的に変わるわけではないと思います。
でも、「変えないといけない」という方向に、
ようやく舵が切られた。
その一歩として見るなら、
決して小さくはないのかもしれません。

数字に一喜一憂するというより、
これが「一度きり」で終わらないかどうか。
その方が、ずっと大事な気がしています。

そもそもクリニックレベルまで適応されるかどうかが。。

この記事の執筆・監修

著者のプロフィール画像

寺田 哲Satoshi Terada

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医師/麻酔科専門医・ペインクリニック専門医

「痛み痺れを諦めない」をモットーに、日々診療にあたっています。最新のエコーガイド下治療やVR治療など、医学の力で患者さんの日常を取り戻すためのヒントと、日々の学びを綴ります。

略歴・資格

  • 2008年 埼玉医療センター麻酔科
  • 2014年 NTT東日本関東病院 ペインクリニック科
  • 2016年 静清リハビリテーション病院
  • 2019年 三島総合病院 ペインクリニック科 医長
  • ペインクリニック専門医 / 厚生労働省 麻酔科標榜医 / 健康スポーツ医

専門・研究

超音波ガイド下治療やVR治療の最前線で活動し、多くの学会(日本ペインクリニック学会、日本VR医学会等)でシンポジストや基調講演を務める。

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