治療の解説

超音波の使用方法 その3〜動脈内〜

2025年 04月 06日

みなさま、おはようございます!

来週、ペインクリニック懇話会で当院についてお話しをする機会をいただきました。そこで当院についてまとめている中で、うちのコンセプトを再確認したので皆様にも改めてお伝えいたしますね!

当院のコンセプトは痛み痺れを諦めないということを掲げております。

とても大胆なコンセプトですが、できる限りの治療方法を集結させて様々な痛みに対応できるようにしております。

なので、当院は生活習慣病などは取り扱っておりません。

 

ただ、超音波エコーを使用して実は治療以外にも行なっていることがあるのです。それは頸動脈のプラークの有無です。

最近は超音波の魅力について語っておりますが、もちろん超音波は本来、腹部超音波や心臓超音波などが主流です。ただここ近年で整形外科領域の筋肉、神経、靭帯など軟部組織と言われる分野で目覚ましい改良がなされいる、発展著しい分野なのです。

当院では腹部超音波は門外漢なので行いませんが、血管内のプラークを確認したり、血流速度を確認することもあります。もちろん血管に異常を認めたり採血やABI(足関節上腕血圧比Ankle-Brachial Index)下肢動脈の狭窄や閉塞を評価する指標で、異常があればすぐに循環器内科の先生にご紹介しておりますのでご安心ください。

 

動脈エコーで何がわかるの?

動脈硬化の有無
  • 頸動脈の壁が厚くなっていないか(内膜中膜複合体厚=IMT
  • プラーク(血管の中の脂肪のかたまり)があるかどうか
血管の狭窄や閉塞の程度
  • 動脈がどのくらい狭くなっているか(=狭窄率
  • 血流のスピードやパターンの異常
脳梗塞・心筋梗塞のリスク評価
  • 頸動脈の状態は、全身の動脈硬化の進み具合を見る「」として使われます。
  • 異常があれば、将来の脳梗塞や心筋梗塞のリスクが高いとされます。

どんな人が受けるの?

  • 高血圧、糖尿病、高コレステロールなど生活習慣病がある人
  • 喫煙歴がある人
  • 家族に脳梗塞や心臓病の人がいる
  • 脳梗塞の既往がある、または症状が疑われる人(めまい、ろれつが回らないなど)

検査の流れ(簡単です)

  1. ベッドに仰向けで寝る
  2. 首の左右にゼリーを塗って、超音波プローブを当てる
  3. 検査時間は約10〜20分ほど
  4. 痛みなし・放射線なし・安全な検査です

検査でよく見る項目

項目名

説明

IMT(内膜中膜複合体厚)

血管壁の厚み。1.0mm以上で動脈硬化が疑われることも。

プラーク

動脈の中にたまった脂肪やカルシウム。大きさ・性状を評価。

血流速度(PSV)

狭窄があると速度が上がる。

狭窄率

血管が何%狭くなっているか。70%以上なら注意が必要。

 

頸動脈エコー検査結果の主な項目と見方

項目

意味

基準

注意すべき値

IMT(内膜中膜複合体厚)

血管壁の厚さ。動脈硬化の進行を反映

~0.9mm程度が正常

1.0mm以上で軽度動脈硬化、1.5mm以上はプラークと判断されることも

プラーク(plaque)

血管内にできた脂肪のかたまり

なしが正常

存在+大きさ・性状(柔らかい・硬い)を評価

PSV(Peak Systolic Velocity)

最高血流速度(収縮期)

~125cm/s

150cm/s以上なら狭窄を疑う、200cm/s以上で中等度〜高度の狭窄もあり得る

狭窄率(%)

血管がどれくらい狭くなっているか

~30%未満

50%以上で中等度狭窄、70%以上で高度狭窄(脳梗塞リスク↑)


結果の読み方(例)

もしあなたの結果にこんな数値が書いてあったとしたら…

  • IMT:1.2mm(右)
  • プラークあり(左)
  • PSV:190cm/s(左内頸動脈)

この場合は:

  • IMTが1.0mmを超えていて軽度の動脈硬化あり。
  • プラークが左にあり、将来的に血管が詰まりやすくなる可能性
  • PSVが190cm/sと高めなので、左側に狭窄(血管の狭まり)がある可能性あり。

 

という感じです!ただ当院は生活習慣病に対してのお薬や治療は行なっておりませんので悪しからず。。

 

痛みの治療という意味では、何度かこちらにも書き込みをした動注治療ですね!そちらはこちらをご覧ください!

https://mishima-itami.com/blog/%e3%83%a2%e3%83%a4%e3%83%a2%e3%83%a4%e8%a1%80%e7%ae%a1%e3%81%a3%e3%81%a6%e7%9f%a5%e3%81%a3%e3%81%a6%e3%81%be%e3%81%99%ef%bc%9f

この記事の執筆・監修

著者のプロフィール画像

寺田 哲Satoshi Terada

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医師/麻酔科専門医・ペインクリニック専門医

「痛み痺れを諦めない」をモットーに、日々診療にあたっています。最新のエコーガイド下治療やVR治療など、医学の力で患者さんの日常を取り戻すためのヒントと、日々の学びを綴ります。

略歴・資格

  • 2008年 埼玉医療センター麻酔科
  • 2014年 NTT東日本関東病院 ペインクリニック科
  • 2016年 静清リハビリテーション病院
  • 2019年 三島総合病院 ペインクリニック科 医長
  • ペインクリニック専門医 / 厚生労働省 麻酔科標榜医 / 健康スポーツ医

専門・研究

超音波ガイド下治療やVR治療の最前線で活動し、多くの学会(日本ペインクリニック学会、日本VR医学会等)でシンポジストや基調講演を務める。

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