病気と症状の知識

保険診療と自由診療──肥満症について

2025年 10月 19日

皆さん、おはようございます。

最近、私の中で運動といえばゴルフですがそのモチベーションの根源は仲間たちとのゴルフコンペこれがもう楽しみで楽しみで^^この日のためにほぼ毎日練習をしているようなものなのです。ただ、そのために毎日練習することにによって、副産物として健康な体が手に入り一石二鳥つまりダイエット効果が期待できます。今日は皆さんにBMIのお話と肥満症治療剤 持続性GLP-1 受容体作動薬. セマグルチドについてお話しいたします。

 

まずはBMIについてご説明しましょう

 

さて、現在みなさんの身長と体重はいくらでしょうか?

例えば

身長:160 cm(=1.60 m)
体重:80 kg

BMI=体重(kg)/(身長(m))2= 約31.3

日本肥満学会の分類では2度となりますね

BMI値

区分

18.5未満

低体重

18.5~24.9

普通体重

25.0~29.9

肥満(1度)

30.0~34.9

肥満(2度)

35.0~39.9

肥満(3度)

40以上

肥満(4度)

BMIが25以上ではもう肥満です(汗)

BMIが30を超えると、生活習慣病(糖尿病、高血圧、脂質異常症など)のリスクが上がるため、
・食事バランスの見直し
・有酸素運動(ウォーキングなど)
・医療機関での代謝評価
を検討するとよいでしょう。最近では医療機関では持続性GLP-1 受容体作動薬を処方する場合があります。

ですが使い方には注意が必要でまた次回に当院での使用についてはお話しします。

 

現在の肥満症薬

 1. 基本情報の比較

項目

ウゴービ(Wegovy)

マンジャロ(Mounjaro)

一般名

セマグルチド(Semaglutide)

チルゼパチド(Tirzepatide)

製薬会社

ノボノルディスク(Novo Nordisk)

イーライリリー(Eli Lilly)

作用機序

GLP-1受容体作動薬

GIP/GLP-1受容体作動薬(デュアルアゴニスト)

投与方法

週1回皮下注射

週1回皮下注射

日本での状況(2025年時点)

肥満症治療薬として保険適用

(2024年承認)

糖尿病薬として承認済(2023年)、肥満適応は未承認(自由診療)

主なブランド名

オゼンピック(糖尿病用)/ウゴービ(肥満用)

マンジャロ(糖尿病用)

 

 

 

これらの薬は、インスリン分泌を促す、グルカゴン(血糖を上げるホルモン)の分泌を抑える、胃の排出を遅らせ満腹感を高める、脳の満腹中枢に働く、といった作用があり、 本来は2型糖尿病治療として用いられていた成分ですが、肥満症(体重・体脂肪の過多が健康に影響を及ぼす状態)についても「治療薬」として承認されています。

さて、ここで問題となってくるのが

保険診療と自由診療です!

適用条件 保険診療(どんな場合に使えるか)ウゴービを例にとって

ウゴービが保険適用される際には、一定の条件があります。
主な条件は次のとおりです:

  • 「肥満症」と診断されること。単なる“体重が多い”というだけでなく、肥満による健康障害があること(例:高血圧、脂質異常症、2型糖尿病など)を伴うこと。
  • BMI(体格指数)が 27 kg/m²以上 かつ “2つ以上の肥満関連の健康障害” を有する場合、または BMIが35 kg/m²以上 の場合。日本でのガイドライン・適用基準にこのようなラインがあります。 
  • 食事療法・運動療法など生活習慣改善を行っても十分な効果が得られなかったという背景があること。 (※この「適用条件」は保険適用のための基準であり、自由診療で使う場合は別のケースもありえます。)

⚠️ 注意点・副作用

ウゴービには効果が期待できる反面、リスクや使い方に注意すべき点があります。

主な副作用

主に消化器系:

  • 吐き気、嘔吐、下痢、便秘、腹部膨満
  • 注射部位反応(赤み、腫れ、かゆみ)
  • 低血糖症状(特に他の糖尿病薬と併用している場合): 冷汗、動悸、震え、脱力感

重篤なリスク

  • 急性膵炎:持続的な激しい腹痛、嘔吐などの症状で報告あり。 
  • 胆嚢炎・胆管炎・黄疸などのリスクあり。
  • 使用禁忌・慎重投与対象が設定されています(例:甲状腺髄様癌の既往など)  

 注意すべきポイント・心構え

  • この薬は「ただ体重を減らしたい」「見た目を細くしたい」という目的だけでは、保険適用の条件を満たさない可能性があります。ブログ記事などでも “痩せたいから使う薬” ではなく「肥満症という病気を治療する薬」であるという強調があります。当院では変形性膝関節症の方でBMI30以上の方にのみ適応とさせて頂こうかと考えております。自由診療(保険適用外)であれば、条件が異なったり費用がかなり高くなったりする可能性があります。また、食事・運動・生活習慣の改善が並行して必要です。薬はその補助・治療的な支援として位置づけられます。
  • 投与中は定期的な通院・体調観察が必要です。副作用や体調変化(胃痛・腹痛・黄疸・低血糖症状など)に早めに気づくことが大切ですので定期的な採血も必要になりますのでご理解ください。

 

 次回は、当院での肥満薬についての適応と効能をエビデンスを含めお話しいたします。


この記事の執筆・監修

著者のプロフィール画像

寺田 哲Satoshi Terada

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医師/麻酔科専門医・ペインクリニック専門医

「痛み痺れを諦めない」をモットーに、日々診療にあたっています。最新のエコーガイド下治療やVR治療など、医学の力で患者さんの日常を取り戻すためのヒントと、日々の学びを綴ります。

略歴・資格

  • 2008年 埼玉医療センター麻酔科
  • 2014年 NTT東日本関東病院 ペインクリニック科
  • 2016年 静清リハビリテーション病院
  • 2019年 三島総合病院 ペインクリニック科 医長
  • ペインクリニック専門医 / 厚生労働省 麻酔科標榜医 / 健康スポーツ医

専門・研究

超音波ガイド下治療やVR治療の最前線で活動し、多くの学会(日本ペインクリニック学会、日本VR医学会等)でシンポジストや基調講演を務める。

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