治療の解説

ハイドロリリース 特殊治療番外編(8)

2023年 11月 12日

皆様おはようございます。昨日、VISA太平洋マスターズの観戦に行き、子供のゴルフ熱に火がつき先ほど朝からゴルフ練習を付き合ってきました。(インドアゴルフが2分のところにある)いや、付き合ってもらったが正しいでしょうか^^子供にはきちんとしたプロの方に習わせてげなきゃと思います。

さて、

特殊治療としてあげるにはあまりにもポピュラーになってきているので今回は、特殊治療ではなく特殊治療番外編として

ハイドロリリースを上げさせてもらいます。

当院では、神経ブロックよりハイドロリリースを行うことが多いです。もちろんそれは前回記述したように、病態の理解が一番重要だと思います。そして、超音波を使用することが必須です。(当院には4台エコーがありますがエコーの紹介はまたの機会に)

前回、ご紹介した通り神経ブロックとハイドロリリース似て非なるものです。

読者の方の中にはハイドロリリースは生理食塩水で効果あるの?プラセボじゃないの?って思われる方もいらっしゃるでしょう。でもハイドロリリースきちんと然るべき病態にしっかりと薬液を届ければ効果絶大です。

下記は40代女性右手を酷使する仕事で右手の前腕の痺れと痛みで来院、他院では頸椎症性神経根症として牽引などの治療されていましたが、身体所見からそちらは一度除外し前腕にエコーを当てたところ下記の所見がありました。

正中神経と橈骨神経領域の痺れ

エコーでは両方の神経の周りがもやもや白くなっているのがわかりますよね

病名は円回内筋症候群 絞扼疾患の一つです 

その神経の周囲にハイドロリリースを行います。

※ここに神経ブロックでは薬理効果で何がどう効いているのかが不明瞭になります。

剥離前

剥離後

正中神経を剥離しました。剥離前は周り全体が白かったですが、剥離後は神経が明確に描出されていることがわかります。

橈骨神経も同様に行いましたが、末梢神経のみの痺れや痛みは中枢と同じくらい存在します。

それは手や腕だけでなく、下肢や体幹も同じことです。

ハイドロリリースはこのようにエコーを使用してしっかりと神経の周囲を剥離することで効果を発揮します。また、神経周囲以外にも、筋肉内や筋膜に使用します。例えば肩こり使用しますが、(肩こりは病名ではありません)肩こりを病名として置き換えるならば、胸郭出口症候群や頸肩腕症候群のように漠然とした概念になりますが、どこで血管や神経が障害を受けているかみきわめる事が大事です。

その結果で肩が凝るわけなので、肩こりは結果でしかないのです。

では次回はまた特殊治療に戻り、次回はハイドロリリースの中枢神経版とも言えるラッツカテーテル(硬膜外腔癒着剥離術)についてお話ししたと思います。

この記事の執筆・監修

著者のプロフィール画像

寺田 哲Satoshi Terada

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医師/麻酔科専門医・ペインクリニック専門医

「痛み痺れを諦めない」をモットーに、日々診療にあたっています。最新のエコーガイド下治療やVR治療など、医学の力で患者さんの日常を取り戻すためのヒントと、日々の学びを綴ります。

略歴・資格

  • 2008年 埼玉医療センター麻酔科
  • 2014年 NTT東日本関東病院 ペインクリニック科
  • 2016年 静清リハビリテーション病院
  • 2019年 三島総合病院 ペインクリニック科 医長
  • ペインクリニック専門医 / 厚生労働省 麻酔科標榜医 / 健康スポーツ医

専門・研究

超音波ガイド下治療やVR治療の最前線で活動し、多くの学会(日本ペインクリニック学会、日本VR医学会等)でシンポジストや基調講演を務める。

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